LDT株式会社

コラム

column

2023.09.30

業界特化型スタートアップの「ガバナンス」と「組織力」を高めるために  ~インタビュー by 渡部恒郎(2023年10月に社外取締役に就任)~

今回は、2023年10月に当社LDT株式会社の社外取締役に就任した渡部恒郎氏に、就任した理由やエイジテック領域について、また今後挑戦していきたいことについてインタビューしました。

 

渡部恒郎氏の経歴
株式会社アーク取締役
株式会社Geolonia 社外取締役

京都大学経済学部卒業。
株式会社日本M&Aセンターホールディングス取締役・株式会社バトンズ取締役などを歴任。
日本M&Aセンターにおい2010年・2011年・2013年全社の最優秀営業社員となる。業種特化型のM&Aチームを成功させるなどし、日経ヴェリタスにて「中堅・中小M&Aの第一人者」として紹介されている。2023年3月に日本M&Aセンター取締役を退任。現在は、プロ経営者として、時価総額100億〜500億→1000億以上に引き上げるコンサルティングを複数社にハンズオンで行っている。

Q.LDTの社外取締役への就任を決めた理由は?

 

大きな理由は、私自身がM&A業界に初めて業界特化型のチームを成功させ、業種特化の考え方を成功させてきており、業種特化型のサービスや企業に興味があったこと。また、LDTから葬儀やエイジテック領域への深い専門性と強い関心を感じたことです。

 

バーティカルSaaSもそうですが、一つの業界を深く理解し追求していくことは、お客様へより良いサービスを提供するためには必要不可欠なことだと思っています。

 

実際、過去にM&Aに携わった時にも感じたのですが、最終的な企業間のマッチングは、年商や企業規模、業種や売却額といった観点だけではなく、よりその業界の細部にいたるまで深堀りができているかが決め手となることがほとんどです。

 

例えば、LDTが展開している「やさしいお葬式」も含めて消費者が葬儀社を選ぶ際にも、お客様は見積りの値段だけで決めず、葬儀会場や接客態度、クチコミなどの評判、オプションプランなど細部までみた上での総合的な判断で自分により合ったものを提供してくれる葬儀社を選びますよね。

 

「どれだけその会社や社員が業界を理解しているか?好きであるか?」は、金銭的価値以上の大きな価値があると思っています。この点が特にLDTと強くシンクロし、社外取締役をお引き受けすることにしました。

 

Q.今後LDTが展開していく「エイジテック領域」について

医療やヘルスケアなどエイジテック領域は非常に幅広く、根が深いジャンルではありますが、LDTが今まで葬儀や相続で行ってきた「高齢者の目線に立って考える」という姿勢は同じだと感じています。

 

私は、前職は高齢の方達に関わる仕事をしていて、医療分野関連のM&Aも多かったのでエイジテック領域については多くの知見を持っています。今後、我々LDTがエイジテック領域をさまざまな業界に展開させていくためには、M&Aも成長戦略の一つとなっていきますので、過去のノウハウや実績を活かした取り組みを強化していきたいです。

 

Q.LDTに今後期待していること

組織力を強め、しっかりとお客様の声を聞きサービスをアップデートし、他社との差別化を図り続けることが、LDTが今後大きく成長していくための鍵だと思っています。特化型SaaSやソフトで勝ち残っている会社は、とにかく組織力、なかでも営業力が強い会社です。

 

もちろん、いかに良いプロダクトを作るのかも重要ですが、そのためには、現状のニーズをしっかりと捉えることが不可欠になります。そして、正確にニーズを満たすには、業界の人たちとのコミュニケーションが欠かせません。

 

営業の人たちが業界の人たちと深く、長い時間関わることで、問題点や希望をより正確に捉え、プロダクトの改善に繋げていくことができると考えています。

 

特にバーティカルSaaSを展開していく上では、「この業界を改善したい・役立ちたい」という強い意気込みを持ったチーム作りが重要なポイントとなるでしょう。

 

Q.今後、社外取締役としてLDTでどんな挑戦をしていきたいか?

社外取締役としてガバナンスの強化を図っていくことはもちろん、今までの経験を活かし、業界を深堀りするための戦略・戦術、営業の組織作り、カルチャーの形成、KPIの設定、IRや広報活動など、多岐にわたる領域で挑戦していきたいです。

 

LDTが社会の公器となるような、公平な組織としっかりとしたガバナンスを実施し、会社が暴走しないように監視することは、社外取締役としての自分の役割だと感じています。

 

社外取締役としての意義は、仮に言いにくいことや厳しい内容であっても、しっかりと伝えることができる立場であることです。逆に、緊張関係を持っていなければ社内役員で十分なはずだからです。

 

私自身が独立した立場を保ちつつ、LDTが成長・発展をしていくためのベストな方法を追求していきたいと考えています。